トレッキングシューズに定評があるKEENの登山靴の最新版が今回レビューする「ターギーⅣ MID」シリーズです。
ターギーシリーズは今なお不動の人気を誇るアウトドアシューズですが、最新作の履き心地やサイズ感が気になる人もおおいのではないでしょうか。
本記事は実際に八ヶ岳で6時間以上は履きまわして私なりに感じたことをまとめました。
まずは簡潔にメリット、デメリットを紹介します。
メリット(いいところ)
デメリット(気になるところ)
最新作のターギーⅣ MIDを詳しく知りたい人はぜひ見ていってください。

アウトドアでの使用感レビュー

今回は八ヶ岳の編笠山へ日帰り登山で6時間履いて感じたレビューです。
ゆるやかなハイキングのような箇所もあれば、岩をこえていくような岩稜帯、雪や氷が残る残雪期らしい変化に富んだルートでした。
細かいディティールの説明やただ室内で履いただけのレビューではないので安心してください。
サイズ感・フィット感

KEENのシューズは登山靴にかぎらず幅広甲高で、長さ感覚は短めです。
このターギーⅣ MIDも同じく横幅が広いので、普段から横が締め付けられて窮屈感を感じやすい人は悩みが解消できる広さがあります。

筆者のサイズは裸足で実測25.5cmでくつの大きさは26.5cmです。
前に2cm弱の余裕があるので、下り坂でつま先がぶつかることはありませんでした。
登山靴のサイズの選び方については以下の記事を参考にしてください。
横はむしろ余裕がありすぎるかなというくらいのゆとりがあり、3Eくらいはありそうです。
さらに甲の高さにも余裕があるので、私はかなりひもを締めあげないとフィットしませんでした。


標準のインソールは全体にクッションがあり、万人受けするかたちです。
私は高さがスカスカした感覚があったので、スーパーフィートのインソールに入れ替えよりフィットするようカスタマイズしました。


全体のアッパーは革ですが紐で締める部分は布でできているので、力を入れてしめれば多少甲が低い人でも合わせられると思います。
ただし普段から欧米系のシューズの幅が合う人にはややフィットしにくいと思います。
幅広甲高な3E程度の人はそのままでもフィットしやすい
登山靴でイタリア等のヨーロッパ系の靴が合いやすい人はフィットしにくい


履き口回りのフィット感
ターギーⅣ MIDはいわゆるミドルカットの登山靴です。
普段のスニーカーなどの靴ではあたらない履き口回りがくるぶし上まできているので、登山靴を選ぶうえで足当たりなどは気になるポイントです。
ターギーⅣ MIDの履き口回りは「くせがなくあたりさわりがない」というのが感想です。
もともとのアッパーが革ですので、ものすごい軽量感を求めて購入したわけでもないですし、がっちりとした剛性の高い登山靴という立ち位置でもないので、過剰な安定感も求めていません。
そうなってくると特に不満もでず、バランスのよいクッションと保護力というところでは、ライトハイキングブーツを探している人にはちょどいいと思います。
クッション性


ターギーⅣMIDミッドソールは最近流行のふわふわしたクッションではありません。
歩き心地としてはややかっちりした感覚ですが、靴全体は柔らかいためバランスがとれたミドルカットシューズだなと感じました。
日帰り登山で求められる5kg程度の荷物を背負って6~8時間ていど歩く山行には十分なクッション性があると思います。
ぐらぐらした柔らかいクッションが苦手な人はターギーⅣMIDのこしのあるクッション性が気に入ると思います。
グリップ力


アウトソールはKEENのオリジナルソールです。
ターギーⅣMIDの今回の最大のモデルチェンジ内容はアウトソールの変更です。
以前までのモデルよりも2倍近い耐久性があります。
アウトソールの溝も一新されて、登山で泥がつまらないように横方向に吐き出し口が配置され、グリップ力がキープできるようになっています。
しかしあえて難点を出すなら、アウトソールのゴムは固めなので岩の上では食い込みが少なく安心感が少ないと感じました。
岩のグリップ感はVibramソールに軍配があがります。


編笠山の山頂から青年小屋に下る登山道は積雪に覆われ、土が全く見えない状態でした。
このように雪の積もった登山道でもターギーⅣMIDのアウトソールは雪が足裏にかたまりにくく、ストレスなく歩けました。
防水性


ターギーⅣ MIDの防水はKEEN独自の防水素材「KEEN DRY」
防水素材はGORE-TEXじゃないと不安というベテラン登山者は多いと思います。
私もいままではGORE-TEX素材のものしか履いたことがなかったので、今回チャレンジの意味も込めてターギーⅣMIDを残雪の八ヶ岳で使ってみました。
結論雪のなかを2時間ほど歩きましたが、中に浸水するようなことはなく非常に快適でした。
また蒸れ感をとくに不満を感じることもなく、むしろ足元のことを忘れていたくらいなので快適だったんだと思います。
アッパーのはっ水は十分だったはずですが、2時間くらい雪道を歩くとさすがに革が濡れてしましました。
今後のメンテナンスでもはっ水はキープできるようにケアしていくようにします。


KEEN ターギーⅣMID 総合レビュー


デザイン | 山の無骨さを感じさせるシックなデザイン |
アッパー | しっとりとした革で柔らかさと保護感を両立 |
カット | ミドルカット/適度なかたさでバランスがいい |
ミッドソール | 固めの感覚で荷物が重くてもぐらぐらしない |
アウトソール (グリップ) | ゴム質かため/土の道〇/濡れると△ |
防水 | KEEN DRY 不満なし |
重さ(片足) | 570g 重め |
価格(公式サイト) | ¥24,200 |
おすすめ用途 | 日帰りから小屋泊まで百名山を目指したい人の相棒にOK |
競合メーカー登山靴との徹底比較


今回比較するのはメレルのMOAB SPEED 2 MID GORE-TEX®。
同じミドルカット登山靴として、実際に2足を登山で使ってみたので、履き心地や性能の比較、コスパなどを考察してみます。
まずメレルMOAB SPEED 2 MID GORE-TEX®の総合レビューは以下の通りです。
デザイン | カラーラインナップも豊富で、スポーティーながらタウンユースもできそう |
アッパー | ファブリックメインで軽やか/柔らかいので重登山には向かない |
カット | ミドルカット/足首圧迫強めでもう少し柔らかさが欲しい |
ミッドソール | クッション厚めで気持ちがいい/前へ進む力に違和感がない |
アウトソール(グリップ) | 不評が多かった一時期に比べて、格段にいい感じ |
防水性 | GORE-TEX |
重さ | 400g |
価格 | ¥25,200 |
おすすめ用途 | タウンユース~日帰り登山まで |
デザイン・アッパー


メレル MOAB SPEED 2 MID GORE-TEX®
アッパーはファブリックがメインで補強でTPU素材。全体的に柔らかくひもを締めた時のフィット感がだしやすい。
幅は細すぎないが、ターギーⅣMIDよりはせまい。
デザインはスポーティ。
KEEN ターギーⅣ MID
アッパーは革メインでガチっと包まれる。
甲高幅広でゆとりがある。3Eくらいはある。
革の質感に惚れる。無骨な山男的な印象。
カット
メレル MOAB SPEED 2 MID GORE-TEX®
ミドルカットでクッションスポンジは厚め。
柔らかい登山靴の中ではカットまわりがもったりした感じ。
KEEN ターギーⅣ MID
日帰り登山装備で背負う重さを十分に支えられる保護感がある。
足当たりもソフトでしっかり締めても痛くなりにくい。
ミッド・アウトソール


メレル MOAB SPEED 2 MID GORE-TEX®
ミッドソールが厚めで歩いていて衝撃吸収、反発をしっかり感じる。
Vibramのアウトソールはゴムが柔らかく、濡れた土道はもちろん岩でのグリップ感もしっかりしていてGOOD。
KEEN ターギーⅣ MID
ミッドソールかため。特に不満を感じないが、特別な感動もない。
アウトソールもかため。常に滑るようなことはないが、濡れた岩は滑る。
ゴムの耐久性が向上しているので、長く使える。
コストパフォーマンス
全体的なコストパフォーマンスはメレルMOAB SPEED 2 MID GORE-TEX®が優れていると思います。
GORE-TEXやVibramソールなど誰もが知っている老舗のパーツを使っていながら優れたクッションやグリップ力があるのが魅力です。
定価は¥25,200ですが、Amazonなどのオンラインショップであればカラーやサイズによっては30%以上お安くなっていることもあり1万円台で購入できるためです。
しかしターギーⅣ MIDもKEENの公式オンラインショップでセール時には30%OFFされていることもあり、お得に手に入れられる時期もあります。
革の質感が好きで、足首をしっかり保護してくれるようなライトな登山靴を探している人にはターギーⅣ MIDがおすすめです。




キーン 公式オンラインショップが熱い


新作のカラーラインナップの在庫がしっかりと揃っているのがKEENの公式サイトです。
またターギーミッドシリーズ以外にもサンダルはもちろんジャスパーなどの人気シリーズが一覧で見れるので、アウトドア愛好家でこの機会にKEENを使ってみたい人はぜひ!
公式オンラインショップなら偽物の心配もなく安心して購入できるのでおすすめです。
30日間は返品も可能なので、もしイメージと違っていた場合も購入しなおせます。
公式サイトはこちらのリンクから
KEEN 登山靴ラインナップ


KEENの登山靴は他にもシリーズがあります。
比較検討している人も多いので紹介します。
ターギーⅡ MID


KEENの不朽の名作として登場から長く販売され続けるターギーⅡMID。
初めの登山やハイキングシューズで使いやすい足なじみのよい革を使ったモデルです。
アウトドアフェスやキャンパーにも愛用されていて、シーンを選ばずに履けるのがいいところ。
ターギーⅣ MID | ターギーⅢ MID | ターギーⅡ MID | |
---|---|---|---|
木型 | 同じ | 同じ | 同じ |
特徴 | ソールに接着剤不使用で経年劣化が起こりにくいため、耐久性が高い。 | ターギーⅡをよりハイキング向けにアップデート。よりしなやかにフィット感高くなった。 | 長年の名作として多くの人に愛される。ハイカーからキャンパーまで多用途に使える。 |
ソールの固さ | 柔らかめ | 柔らかめ | 固め |
おすすめ用途 | ハイキング | ハイキング | キャンプ等リラックスシーン |


ピレニーズ


KEENのシューズラインナップの中で数少ない足首回りまでしっかりと保護するハイカットモデル。
フルレザーモデルで革のきれいな風合いを楽しめます。
ソールの固さは本格登山モデルには劣るので、10kg以上背負うようなテント泊などは厳しいですが、どこの山でも連れて行きたくなる相棒になってくれるはずです。


まとめ


革の登山靴ならではしっかりとした保護感と、長く使えるアウトソールに期待したいよき登山靴でした。


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