冷える季節に登山で必須なのは、暖かく軽量でコンパクトに収納できるダウンジャケット。
でも濡れると保温力が失われ、お手入れも大変……。
その弱点を克服した化繊インサレーションが今注目度が高くて熱い!
登山用に関係なくアパレル大手のユニクロでもパフテックなる化繊綿ジャケットを発売しているくらいです。
では登山で着るには「ダウンなの?化繊なの?どっちが使いやすい?」と疑問を抱えているあなたへ。
本記事では登山用インサレーション選びに迷っている方のために、化繊インサレーションの魅力や選び方、そしておすすめの製品を厳選してご紹介します。
- 登山でつかいやすい化繊綿で作られたジャケットの魅力がわかる
- 羽のダウンと化繊綿の使いどころの違いがわかる
- 化繊インサレーションジャケットのおすすめ商品を一挙ご紹介
化繊インサレーションとは? メリットデメリットとあわせてみてみる

化繊とは化学繊維でインサレーションとは中綿(ダウンや化繊)が入った保温性の高い防寒ウェアのこと
ということは化繊インサレーションとは化学繊維の綿が入った暖かい防寒ジャケットのことです。
化繊インサレーションのメリットは?
メリット | デメリット |
---|---|
汗や雨で濡れても保温力がおちない 羽抜けしない フリースなどよりもコンパクトにまとめられる 運動しているときでも蒸れにくい 価格がダウンよりも安い | 羽のダウンよりも同じ厚みであれば保温力は劣る 収納サイズはダウンと比較して大きい ダウンの柔らかい着心地と比較すると固め |
汗や雨で濡れても保温力がおちない
登山で気温が下がった時に活躍するのが化繊インサレーションですが、特にその利点を発揮できるのが行動中です。
外気は冷たいので防寒着を着たいけど、登り坂では汗が出るものです。



そんなときにダウンジャケットを着てしまうと、汗で羽の綿が濡れてしまいます。ダウンは濡れると羽毛がしぼんでしまうため、一気に保温力がなくなってしまうのです。
ここで活躍するのが化繊インサレーションです。
化繊はジャケット内が湿っていても、外から雨や雪で濡れてしまっても保温力が変わらないのが特徴です。
そのため行動中でも休憩中でも着れるのが、化繊インサレーションのメリットになります。
羽抜けしない
ダウンジャケットのストレスポイントの1つが、中の羽が飛び出て他の服などに付着してしまうことです。
せっかくの暖かくしてくれるダウンが抜けてしまうとなんだかもったいない気持ちになるのは自分だけではないでしょう。
化繊インサレーションは中の綿が抜けてくることはありません。
いろいろ気を遣わずに着れるので、なんだかんだ使っているのは化繊インサレーションだったりします。
フリースなどよりもコンパクトにまとめられる
綿のジャケットは使わないときにコンパクトにまとめておけます。
レインウエアやウィンドブレーカーなどは分かりやすく小さくなりますよね。
しかし温かいフリースやセーターなどのウエアは生地がぶ厚くなるので、なかなか小さくならないものです。
そんななか化繊インサレーションは圧縮して小さくまとめられるので、着ない時にはザックやカバンにしまっておけるので持ち運びがとても便利。
思わぬ寒さに対応できる安心できるウエアとして1着もっておきたいものです。
運動しているときでも蒸れにくい



化繊綿は汗速乾性と通気性に優れています。
化繊(ポリエステルやナイロンなど)の繊維は水分を繊維内に抱え込まない性質があります。
そのため汗(水分)を繊維の内部にほとんど吸収しません。
運動により体温が上昇し、汗が水蒸気(湿気)に変わると通気性の高い構造によって、水蒸気がウェア内部に留まることなくスムーズに外へ放出されます。
化繊綿ジャケットは運動中に大量にかく汗と湿気の両方を効率的解消するので、蒸れによる不快感が少ないのが特徴です。
価格がダウンよりも安い
やっぱり安くいいものが手に入るほうが幸せですよね。
ダウンジャケットと化繊インサレーションジャケットの同じような厚みのもので比較すると、やっぱり化繊インサレーション商品が安いです。
安くて質のわるいものだったら気が引けてしまいますが、安くてもメリットがたくさんある化繊インサレーションのジャケットは買わない理由がないですよ。
化繊インサレーションのデメリットは?
メリット | デメリット |
---|---|
汗や雨で濡れても保温力がおちない 羽抜けしない フリースなどよりもコンパクトにまとめられる 運動しているときでも蒸れにくい 価格がダウンよりも安い | 羽のダウンよりも同じ厚みであれば保温力は劣る 収納サイズはダウンと比較して大きい ダウンの柔らかい着心地と比較すると固め |
羽のダウンよりも同じ厚みであれば保温力は劣る



空気保持能力の差(ロフトの質)を考えると化繊インサレーションはダウンに一歩及びません。
保温材の温かさは繊維の間にどれだけ「動かない空気(デッドエア)」を閉じ込められるかで決まります。
ダウンボール(羽枝が集まった塊)は非常に複雑な三次元の立体構造をしているので、一つ一つが独立した無数の小さな空気の部屋を作り出します。
同じ厚みや重量で比較するとダウンがより多くの空気を効率的に閉じ込めるため温かさをキープできるため、ダウンのほうが温かいのです。
収納サイズはダウンと比較して大きい
コンパクト性もダウンに軍配があがります。
圧縮したときに小さくまとまるのはダウンジャケットのほうが小さくなります。
ダウンの柔らかい着心地と比較すると固め
さらに細かいことですがダウンジャケットのほうが着心地も柔らかく、軽さや柔らかさなどを含む快適性は化繊インシュレーションはダウンに及びません。
シート状の綿である面が動くのに対し、ダウンは1つ1つのダウンボールが動きに合わせて移動、密着するのでより着ているときの違和感がなくなります。
なるべく着心地のいいアウターを探している人はダウンジャケットがおすすめです。



化繊インサレーションの最大の使いどころ



実際に山でつかうならどういったシチュエーションが想定されるのかを考えてみます。
残雪期~多雨期(春~秋の標高が高い山域)での行動着・停滞着
春(4月~5月)の2,000m超の稜線歩き(八ヶ岳など)、夏山(7月~8月)の長期縦走。
春は残雪や融雪による湿気が多く、夏は汗や突然の雨、テント内の結露などでウェアが濡れるリスクが高い時期です。
ダウンは濡れると保温力が大幅に低下しますが、化繊綿は濡れてもロフト(かさ)を保ちやすく保温力が低下しにくいため、雨や湿気、行動時にかきやすい汗も気にせず使えるため。
雪山での「アクティブインサレーション」としての着用
冬山、厳冬期の雪山(アイスクライミング、雪上ハイクなど)の行動中。
近年の化繊インサレーションは通気性も高められており、激しい運動で汗をかいても蒸れを素早く排出し、汗冷えを防ぎながら保温してくれます。
寒冷下での激しい行動中、脱ぎ着せずに体温を適切にコントロールできる(オーバーヒートを防ぐ)ウェアとして最適です。
水濡れ・汚損の可能性が高いアクティビティ後の防寒着
夏山の沢登りやカヌー・カヤックなど水辺のアクティビティ、山小屋・テント内での着替え後の休憩時。
ウェアや体が濡れた状態で着用する際、ダウンは濡れを嫌いますが、化繊は速乾性があり、濡れたままでも最低限の保温力を確保できます。
お手入れが非常に楽なため、汚れやすい・洗濯回数が多くなる状況(テント泊や長期山行など)でも気兼ねなく使用できます。
登山で使える化繊インサレーション おすすめ7選
ザ・ノースフェイス ベントリックスジャケット



表生地 | 15と20デニールリサイクルナイロンをハイブリッド |
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中綿素材 | VENTRIX ECO |
重量 | 260g |
価格 | ¥31,900 |
詳細 | Amazon |
ノースフェイスの定番化繊インサレーションで、適度な厚みが秋冬登山の頼もしい行動着として使いやすい。
中綿はザ・ノースフェイスのオリジナル開発の「VENTRIX」で軽くて温かいのが特徴。



マウンテンハードウエア コアエアシェルウォームジャケット



表生地 | Pertex® Quantum Air 20Dストレッチリップストップ |
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中綿素材 | パーテックスカンタムエア×帝人「オクタ」 |
重量 | 350g |
価格 | ¥31,900 |
詳細 | Amazon |



アークテリクス アトムフーディ






着ているだけでかっこよく見える不思議なメーカーアークテリクス。
縫製パターンを追及し、シルエットが美しく見えるよう作られているからで立派な企業努力によるものです。
防水のアウターまではいらないけれど、憧れのアークテリクスを着たいあなたには、機能的なアトムフーディがおすすめです。
表生地 | 20デニール x 20デニール ナイロンリップス |
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中綿素材 | Coreloft™ 60 ポリエステル 100% |
重量 | 355g |
価格 | ¥49,500 |
詳細 | Amazon |



ミレー アルファ ライト ジャケット









ポーラテックの中綿素材をたっぷりと封入したジャケットタイプのアルファ ライト ジャケット。
ライトの名の通りインナーとして使いやすい厚みに抑えられています。
ポケットが胸前に2つあり、ザックの腰ベルトで干渉してこない位置についているのは登山メーカーならではの粋な配慮。
表生地 | ブリーザブルニット ポリエステル100% |
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中綿素材 | ポーラテック アルファ™ 40 ポリエステル 100% |
重量 | 338g |
価格 | ¥23,100 |
詳細 | Amazon |



ミレー ブリーズバリヤー トイ II ジャケット






1枚でアウター要素をしっかりと求める人にはブリーズバリヤー トイ II ジャケットがおすすめ。
たっぷりと中綿が入っておりダウンジャケットに負けない温かさを誇ります。
繊維1本から撥水加工を施すことで気持ちいくらい表面で水をはじきます。
雪山などでも濡れを気にせずつかえる頼れる相棒になるはずです。
表生地 | ブリーズバリヤー®リップストップ ナイロン100% 超耐久撥水 |
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中綿素材 | スルーウォーム® ポリエステル 100% |
重量 | 392g |
価格 | ¥36,850 |
詳細 | Amazon |






モンベル EXライトサーマラップパーカ






汗をかきやすい人に朗報です。
従来の綿がたっぷり入ったジャケットでは歩いているときに、いつも暑くてしょうがないという人に適度な温かさを持つ化繊インサレーションがモンベルから販売されています。
超コンパクトにまとまり冬に限らず季節を問わず使いやすい!
パタゴニア ナノパフ



表生地 | 20デニール・リサイクル・ポリエステル100%のリップストップ[はっ水加工] |
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中綿素材 | 60グラム・プリマロフト・ゴールド・インサレーション・エコ |
重量 | 369g |
価格 | ¥33,550 |
詳細 | 公式サイト |



よくあるQ&A



- 化繊インサレーションの洗い方は?
-
洗濯機で洗えます。
すべてのジッパーを閉めてネットに入れて洗ってください。
乾燥機は不可です。
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