メレル モアブ スピード2の徹底レビュー! 登山歴10年がアウトドアでの使用感を解説

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たくさんの登山靴やハイキングシューズがある中で、メレルの2024年新作モデルMOAB SPEED 2 MID GORE-TEX®が気になっている人も多いのではないしょうか?

今回は元登山用品店で3年程靴を販売し、プライベートでも登山歴10年になる筆者が、ユーザー目線はもちろん販売者目線も合わせて、徹底レビューします。

結論から言うと

モアブ スピード2 MIDのメリット(いいところ)

  • 厚みのあるミッドソールが極上のクッション性を生み、長時間着用でも疲れにくい
  • 足幅がゆったりしているので、甲高幅広の日本人の足にフィットしやすい
  • 新開発のアウトソールがグリップ力最高

日帰りで観光地をハイキングしたい方から、富士山を目指している方まで広くオススメできる1足

モアブ スピード2 MIDのデメリット(気になるところ)

  • ソフトな靴の中では、足首回りがもったり…
  • アッパー全体的に柔らかめのため、15kg以上の荷物を背負うのは厳しいかも
  • シューレースに工夫がなく、締め上げるのにはコツが必要

本格的に槍ヶ岳等のアルプス登山を目指している方や、テント泊にチャレンジしたい方には靴が柔らかすぎて向いてないかも…

詳しくは登山中の写真もふんだんにお見せしながら徹底レビューしていこうと思います!

アウトドアでの使用感

早速アウトドアで使用したレビューをお届けします。

使用したのは、高尾山の自然研究路6号路。琵琶湖滝を経て、3号路に迷い込んだりしながら登り1時間、下り30分程度のお散歩コース。

谷沿いの急斜面や階段を登ったり、平坦な道をトラバースしたりとしっかり登山を楽しめるコースです。

サイズ感、フィット感

足幅の細い私では薄手の靴下と合わせると、フィットさせようとした場合、左足のようになります。
(私の足幅はC)

アッパーが柔らかい素材のため、締めようと思えば締まりますが、どうも変にしわが寄って見た目的には残念な感じ。

ただし今回はトレラン用の薄手の靴下を合わせたため、トレッキング用の厚手の靴下を合わせた場合はもっとフィット感の向上が見込まれます。

購入前からわかっていたことではありますが、こちらのシューズは2Eの足幅ということで、あまりにも足幅の狭い方には向かないと思われます。

シューレースは太すぎず、細すぎず扱いやすいものですが、シューループは特段工夫はなく、引っ張っただけでは先端からいい感じには締まりませんでした。

くつひもを結ぶのが得意な私は、足先から締め上げてフィット感を出しました!

🚩フィット感が足りない時の対処法

  • 靴下の厚みを厚くする→中のボリュームが大きくなるので、隙間が減る。
  • インソールを替えてみる→厚みの調整ができるので、隙間が減る。

そんな締めあげた靴のフィット感は決して悪くなく、足幅が狭い私でも登りはもちろん、結構雑に走って下った下り坂でも、中でずれる感じが一切なく、気持ちよく走れました

この靴は重量感があるため、登りでは走る気分になれませんでしたが、重登山靴だろうと下りでは駆けていく私は、今回も走って下りました。

“ダイバーストレイル”シューズを謳うのであれば、ミドルカットとはいえもっと足回りを軽量化、もしくは少しカットを下げて自由度を出してもいいのではないかなと思います。(何様…)

カット周り

今回もっとも気になったのが、足首回りのカット部分でした。

柔らかいクッションと思いきや、ひもをしっかり締めた時のあたっている感覚が強く、特に登りの時には1番上のフックは緩めて歩かないと痛みがありました。

全く痛みの無い登山靴はないと思っている質なので、今後使用していけば柔らかくなっていくだろうなと思いますが、今回実際にアウトドアで使った中では最も気になった箇所でした。

もともと柔らかく左右へのねじれ剛性はそこまで高くない(求めていない)種類の靴なので、できればもう少しクッションが薄くてもいいので、足当たりのソフトなクッションにしていただければGOOD。
(何様や…)

購入後1回目の使用という前提条件があるため、回数をこなしていけば気にならなくなる可能性があります。

みなさんも購入後1回目の山行は、あまり長めの山行ではなく、万が一痛みが出たらすぐに引き返せるようなルートにしたり、ばんそうこう等の痛みを抑えることのできるものを持っていくようにするといいですよ。

クッション性

試し履きした時からこの靴は、クッション性が非常にバランスがよさそうだと思っていましたが、実際にフィールドに出て、より満足感が増しました。

ミッドソールは高反発でふにゃっとした感じがないのに、衝撃が足裏に伝わらない抜群にいいクッションでした。

足運びも変にふわふわせず、バランスのよいドロップのため、アスファルト舗装路でもカツカツした感じも無く、不整地でも木の根っこや岩のごつごつ感もものともせず足を前に出していけて気持ち良く歩けました。

グリップ感

結論…全然滑らない!

やっぱりアウトドアでは少し柔らかめのVibramソールがアルプス等での岩場コンディションでなければ最高ですね。

Vibram TC5+(ティーシーファイブプラス) アウトソール
世界有数のイタリアのソールメーカー”Vibram (ヴィブラム)” のメレル専用コンパウンドソール。

メレル公式サイト

ちょっと滑りそうな濡れた道の岩に乗っても、下り坂で走っても全然ズルっとくる感覚がないので、非常に安心できました。

モアブスピード2 パーツ別 レビュー

デザイン

筆者撮影
筆者撮影

ハイキングシューズとランニングシューズの融合とあって、スタイリッシュなデザイン性。

しなやかなナイロンがメイン生地で、補強に柔らかな合皮やTPUが配置されています。

ミドルカットの靴ながらぼてっとした見た目ではなく、全体的にスタイリッシュなデザインです。

靴ひもを留めておけるゴムが付いています。筆者も甲が薄い足なので、ひもは余りがちのためうれしい機能です。
しかしけっこうゆるめなので、何年も使うとゴムの劣化が気になるポイント。

アッパー

筆者撮影

防水素材のGORE-TEXが全面にはられ、雨やぬかるんだ道でも安心して歩けます。

あえて苦言を呈すなら、つま先付近にロゴがあると目立ちすぎて少しもったいないな…という印象。

ミドルカットなので、くるぶしあたりまでカットがあるのですが、やや足首回りへの圧迫感が強く感じました。

ライトなミドルカットシューズであればもう少しクッションを薄手にして圧迫感の少ないようにしてくれれば、もっと気兼ねなく履ける靴になるんではないかなと。

筆者撮影

指で押してみると簡単に沈み、登山靴のようながっちりした感じとは異なる生地。

この柔らかさが足にぴったりとフィットする要因で、ランニングシューズのような一体感がでることで履いた時の軽さが際立ちます。

横方向へのブレを抑えるために薄手のTPUを配しているが、全体の格子模様のナイロン素材の柔らかさが際立ち、強く支えられている感覚はなかったが、使っているとよれてくるファブリックシューズとしては、補強を入れていただけると長持ちするので助かります。

サイズ感

筆者撮影(なるべくきれいな靴下で撮りました…)

インソールと足を合わせてみた写真。

筆者の素足サイズは25.5cmで上記の靴は26.5cm。筆者の足幅は細い方だが、インソールと合わせてみても横幅が大きく余ることはなさそう…
(追記)
実際アウトドアで履いた感覚は残念ながら結構締めないとゆったりしすぎており、下り坂では中で足ががずれてしまうサイズ感でした。

前は3cmくらいの余裕があったけれど、特に大きすぎる感も無く、普段の登山靴と同じサイズでいいかなと思う。(もしかしたら写真はかかとがあまりあっていなかった可能性も…)

登山靴やハイキングシューズは必ず普段履いている靴よりも大きめを買いましょう。
下りで前がぶつかると大変痛い思いをします。
小さい靴は伸ばせないので、迷ったら大きめの靴がGOOD

筆者撮影

しっかりフィットさせようとひもをきつめに結ぶと、前側にしわがよってしまったため、どちらかというと足幅広めの甲高な人の方がしっくりくるかも!(黄色のまる印あたり)

ミッドソール

● FLOATPRO™ (フロートプロ™) ミッドソール
クッション性に優れ、相反する軽量性・耐久性を両立させたEVAフォーム。軽量ながら長期間の反発弾性を確保し、パフォーマンス性を持続させる。環境への負荷を軽減するため“廃材を出さない製造工程”で、さらに再利用しやすいTPE (サーモ プラスチック エラストマー)素材を原料としている。

メレル公式サイト

デザイン的にも目を引くミッドソールの厚みはかかと部分で3cm程度はあり、かなりクッション性を上げてきたなという感想。

これぞまるで雲の上を歩く感覚か!

他のメーカーのハイキングシューズより、歩いた時のふわっとした感覚が強く、アッパーの柔らかさも相まって、普段のスニーカーと同じような足運びができるのがいい感じ。

これなら長い間のトレッキングも負担が少なく、楽しく歩けました!

筆者撮影

インソールを外した下の部分も、若干クッション性のある生地が配置され、シューズメーカーならではのこだわりが見えました。

アウトソール

今回はメレル専用で新しくバージョンUPしたソールが使われています。

Vibram TC5+(ティーシーファイブプラス) アウトソール
世界有数のイタリアのソールメーカー”Vibram (ヴィブラム)” のメレル専用コンパウンドソール。

メレル公式サイト

Vibramは登山靴等に多くの靴に使用されていますが、同じソールパターンは見たことが無いというくらい多くの種類のゴム質やパターンでソールを作っているメーカーです。

申し訳ないけれど、メレルさんのアウトソールと言えば、人気シリーズ「カメレオン」を想像してしまう。

Vibramソールですがかなり硬めのゴム質で、アウトドアで使った時には木の根で滑るわ、下りで怖い思いをしたので、タウン用と割り切ってしまった記憶がよみがえります。

そんな記憶があるので、あまりいい印象を持っていなかったのですが、今回は目が覚めるような工夫と柔らかいゴムに感動しました。

筆者撮影
筆者撮影

Vibram TRACTION LUG (ヴィブラム トラクションラグ) 形状
細かな突起のあるVibram(ヴィブラム)最新特許技術のラグ形状がより高いグリップ性を実現。表面積が増加することで安定性を高め、トラクション性能が向上。

メレル公式サイト

楕円が半分つぶれたような形状になっている部分が一工夫されていますね。

この形状が柔らかいゴム質と相まって、下りでも安心感のあるストップ機能に一役買ってくれ、余計な体力を使わなくて済みます。

筆者撮影

● FLEXPLATE™(フレックスプレート™)
ミッドソール下に搭載された軽量プレートがアーチを支え、捻じれ抑制とフォアフット着地安定に寄与する。

メレル公式サイト

真ん中にあるグレーの素材は硬めのプレートで横へのねじれ剛性の向上に役立ってくれています。

筆者撮影

またこの硬い部分があるからこそ、歩いた時の縦方向への折れ感が軽減され、余計な疲労を軽減してくれるように思います。(前足部は曲がりますが、靴全体が曲がるわけではなく、スムーズな足だしができるようにつま先付近だけ曲がる)

ここが無いときっとふにゃっとした柔らかすぎる靴になっていたと思います。

メレル モアブ スピード2 MID 総合レビュー

デザインカラーラインナップも豊富で、スポーティーながらタウンユースもできそう
アッパーファブリックメインで軽やか/柔らかいので重登山には向かない
カットミドルカット/足首圧迫強めでもう少し柔らかさが欲しい
ミッドソールクッション厚めで気持ちがいい/前へ進む力に違和感がない
アウトソール(グリップ)一昔前と比べて格段にいい感じ
防水性GORE-TEX
重さ400g
価格¥25,200
おすすめ用途タウンユース~日帰り登山まで

まとめ

今回ご紹介した靴はこちら
同シリーズでローカットモデルも展開しています

MOAB SPEED 2 GORE-TEX

日本人はどこでも使える、なににでも使えるものが大好きですが、こちらのモアブスピード 2 MIDはそのようななんでも使えるシューズをお探しの方にはもってこいの靴です。

アウトドアでの使用も、フィット感とグリップ性能の向上に驚き、もっと多くの山で一緒に歩きたいと思わせるシューズでした

柔らかいソールはスニーカーのように足運びができるので、タウンユースにも使えますし、グリップ性能も大きく上がったので、ハイキングでも安心感のある靴として活躍できます。

まだハイキングシューズをお持ちでないあなたも、買い替えを考えている方も、メレルの2024年最新作であるこちらのモアブスピード 2 MIDをぜひお試しください!

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